April

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「えー、というわけで、うちのクラスからは崎川が生徒会の副会長に指名された。崎川は色々忙しいと思うから、みんな手伝ってやってくれ」 待ってください、先生。 「くるみすごいじゃん!会長と面識あったの?」 後ろの席の去年から同じクラスの彩香が、こそこそと声をかけてくる。 いや、そうじゃないんだよ、ちょっと待ってよ。 「じゃーこれで今日は解散。崎川はこのあと明日の入学式のことで生徒会で打ち合わせあるらしいから、生徒会室いけよ〜」 担任の先生のそんな言葉で、席に座ってHRを受けていた生徒たちがバラけだす。 その中、状況の飲み込めない私だけが、ぽつん、と席に残っていた。 高校2年生がまさかこんな始まり方になるなんて。 昨日までの私は、想像もしていなかった。
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