January

13/20
前へ
/315ページ
次へ
「ー…私、変なんです」 全部全部、変だ。 「俺からしたら、最初からくるみちゃんは変だったよ」 「…失礼な」 お互いに、決定的なことは言わない。 私の言葉に、どんな意図があったのかなんて、聞いたりしない。 ずっとそうだった。 私たちは、ずっと、そうだった。 「ほら、俺たちの番だよ」 2人とも財布からお賽銭を取り出して、投げ入れる。 しっかりと作法通りに済ませて、からんからん、と音を鳴らした。 手を合わせて目を瞑り、頭の中で、考える。 …最初は。 最初は柄にもなく、会長の合格祈願でもしようかなって、思ったりした。 だけど。 私が会長の実力で決まることを、願うものじゃない。 私が。 私が、ただひとつ、願いたいのは。 ー…お願いします。 もし、神様がいるなら。
/315ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加