January

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指先が、震える。 寒さじゃない、緊張で。 「ー…くるみちゃんに、聞いて欲しいことが、あるんだ」 その言葉が、どんな言葉なのか。 想像できるような…だけど、思い上がってしまいそうだから、知りたくないような。 「聞いて、くれる?」 だけど。 私は、会長のその言葉に、頷くことしか出来ない。 「…はい」 だって、好きだから。 この人の強いところも、弱いところも。 知ったうえで、それでも。 私を信じてくれる、強くしてくれる。 そんなこの人のことが、どうしようもなく、好きだから。 会長の指を、ぎゅっと握り返す。 私の指より少しだけ太くて、骨ばっていてー…熱いのが会長の指なのか、私の指なのか、もう、わからないけれど。 「ー…待ってます。会長のこと。だから、受験落ちたら、嫌ですよ」
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