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「はいはーい、俺は甘酒飲みたい!」
「えー、会長わがまま〜」
会長と湊くんが率先して歩いていく。
ー…私はもう、これ以上会長と話すことは、多分ない。
「…すみません、気を遣わせて」
「ほんと、手が掛かる2人組だよね」
聖先輩が呆れた顔でこちらを見ている。
「世那先輩も…すみません。ありがとうございます」
「ほんと、困ったもんだよ」
世那先輩の手を取れたら、よかった。
だけど、私にはどうしてもできなかった。
「…俺は、崎川がどんな選択をしても、崎川を責める気なんてなかった。崎川が弱ったところに漬け込んだのは、俺だから」
「世那先輩…」
「だけど」
私と聖先輩を置いて、世那先輩が歩き出す。
その先では、会長と湊くんが、こちらに向かって手を振っていた。
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