January

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「…崎川が、情で、俺の手を取るような人じゃなくて、よかった」 「…世那、先輩」 この人は、いつだって、私のことを肯定してくれる。 それが、嬉しくて、私を守ってくれる頼もしさが、苦しくて。 先に歩いていく世那先輩を見て、聖先輩が呟く。 「…どう考えても、さ。世那選んだ方が幸せになれると思うのに、どうしてだろうね」 「え?」 「慧の隣はくるみちゃんが似合うし、くるみちゃんの隣は慧が似合うと思っちゃう。絶対世那のが大切してくれるだろうって思うのに…変だよね」 そう言って、聖先輩が、歩き出す。 ー…恋をした。 傷付いたって構わないと思える恋。 守りたい、守られたい、そんなふうに思う恋。 叶って欲しいはずなのに。 それをどこかー…怖がってしまう。 臆病すぎる、恋を。 恋を、したんだ。
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