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今日は兄、亘の誕生日。いつも自分をかわいがってくれる兄へ感謝の気持ちを込めてプレゼントを渡す事を想像すると、奈美は何とも言えない幸せを感じるのであった。
「プレゼントは何がいいかな。」
奈美の脳裏に、この間ショーウィンドで見つけた洒落たセーターが浮かんだ。
「あれにしようかな。」
そう思って、ポケットに手を入れた時、奈美は財布がないのに気づいた。ポシェットの中も調べてみたが入ってはいない。
「いけない。お財布忘れちゃった。」
奈美は軽く舌を出すと、元来た道を引き返した。
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