そっちかよ

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「・・・あの時は真理子に対して誠実でなかった。傷付けてごめん。」 部屋に荷物を運び終えて、ドアを出る時、尊は真理子に背を向けて言った。 「今更。昔の事だしもう気にしてないよ。それに、・・・私、来月結婚するんだ。」 彼女は来月結婚が決まっていた。 「知ってる。」 「えっ!?どういう事?」 予想外の彼の答えに彼女は驚く。 「真理子の旦那さんになる人、俺の大学の先輩なんだ。仲良くさせてもらってたから、結婚式の招待状送って下さって。」 「えー!ビックリ。」 「先輩は俺が真理子の元彼だって知らないで送ったんだと思うけど。相手の名前がお前になってたからすごい驚いた。」 「そうだったのね。」 「お前にとったら、俺が出席したら気まずいだろ。祝福してあげたいけど俺は欠席するわ。」 「尊が良ければ、出てくれても構わないよ。気にしてないから。お気遣いありがとう。」 「ありがとな。でも、やっぱり俺は欠席するわ。ちょっと・・・、個人的な事情で。」 尊が切な気な表情で無理に微笑む。 「?尊?」 「ごめん。幸せにな。」 「ありがとう。」 彼の様子に彼女は違和感を覚えたが、聞かない方がいい気がして、真理子は尋ねなかった。
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