0人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
「神聖な場に突然すみません。」
尊は二人と参列者に向かって頭を下げる。
「式の最中にこんな真似してごめんなさい。俺、二人を祝福したかった。でも、よく考えて、悩んで、やっぱり心に嘘をつけなかった。」
彼が二人を真剣な表情で見つめる。
真理子はドギマギする。
次の瞬間、
「久也さん!」
久也の方を真っ直ぐ見つめる尊。
「へっ!?」
真理子は驚く。
「俺、あなたと別れて、何度もあなたを忘れようとしたけど、できなかった!ずっとあなたが俺の心の中にいて、出て行ってくれなかった。俺達の関係は世の中には祝福されないかもしれないけど、俺は胸を張ってあなたを愛してると言える!これから先の俺の人生、あなた無しでは考えられない。俺と一緒に生きてくれませんか。」
「尊・・・。」
久也が目を見開いて固まっている。
どよめく式場。
真理子は開いた口が塞がらない。
(えー!!尊の好きな人って、久也だったの!?)
真理子の方に向き直る尊。
「真理子、ごめん。幸せになれよって言ったのに、高校時代と今と2度も裏切る事になってしまって・・・。」
彼は彼女に深々と頭を下げる。
最初のコメントを投稿しよう!