ブリーフ1枚の戦士たち

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箱根は書き込む。 『誰か影で場所計算できるやついないか?』 すると  『は?どうやって影で特定するんだよ』 の反応。箱根、さらに重ねて 『そういうトリックを描いた漫画あるんだよ!知ってるやついねえか!あれだ!あれ使うんだ』   箱根がその時に左側のモニターを見ると。少女はすでに首に縄をくくって、台の上に立っていた。 『え、やばくない?』 『死ね死ね死んじまえ』 『どうせやっぱやめたって言うんだぜ』 『運営仕事汁』 とコメントが流れていく。自殺を煽るようなものも一定数ある。 箱根は、それを見ながら体温が下がるのがわかった。 『やばい、間に合わない!』 と箱根が書き込んだ時、 『俺できるかも。ちょっと待ってろ』 と救世主が現れた。 『早くしろ』 『それより、俺あの飛行船気になるんだけど』 『飛行船?』     映像では、少女はすでに首をつった状態。 足を乗せていた台が倒れている。 『まじぐろい』 『どうすんだよ』 『誰か助けにいけよ』 『お前らクズだな』 『この時間に動画見ているおまえらが次は死ねばいいよ』 そのコメントの合間に、少女の後ろを優雅に通りすぎる飛行船があることに気づいた。 犬キャラクターの絵柄に『ニッポン生命保険』と書かれている。 「これだ……!」  箱根が 『今、ニッポン生命保険の飛行船ってどこ飛んでる!?』 と書き込むと 『えー俺んちからは見えない。東京だけど』 『俺んちも違う。北海道』 『馬鹿、このビルだらけの映像のどこに北海道の要素があるんだよ』 『SNSで情報流す?』 なかなか情報が出てこない。 「今からったって……どうするんだよ……!」 箱根のキーボードを打つ手の震えが大きくなる。 猫時計、2時20分。
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