秘密を打ち明けるとき

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秘密を打ち明けるとき

 そこで言葉を止め、一度大きく息を吸った。 「私、整形しているの」  良太は驚いているが紗耶香は気にせず勢いのまま続けた。 「だから、良太は健太の顔が私達に似ていないって言ってたけどそんなことないの。目元なんか私の子供の頃の写真そっくりで」 「俺もだ」 「え?」 「俺も、整形しているんだ」  先程の良太の様にポカンとしてしまう。 「俺は生まれた時からのごつい顔がコンプレックスでシャープな顔に憧れていたんだ。だから、金を貯めて理想の形に整形した。紗耶香にも何度か言おうと思ったんだ。きっと受け入れてくれると思ってたけど万が一拒絶されたらと思うと怖くて言い出せなくてここまで来てしまった」  子供が出来たと聞いたは嬉しさと同じくらい、秘密がばれるのが怖かったと言う良太に紗耶香も同じ気持ちだったと胸中で同意した。 「健太が紗耶香似だったらいいと思っていたんだが、顔立ちがはっきりしてくると俺に似ていたからな。このまま成長したら紗耶香が不倫したんじゃないかと責められるかもしれないと思って」  離婚を切り出されるのも覚悟で今日の話し合いを決心したと締めくくった。そして深々と頭を下げる。 「今まで騙していてごめんな。もっと早く打ち明けていれば良かった」 「それは私もだよ!ごめんなさい」  慌てて紗耶香も頭を下げた。二人ともが頭を下げるこの状況にどちらからともなく笑いが漏れた。 「私達似た者夫婦だね」 「本当だ」
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