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「そうだねぇ。まぁ、仕方ないよね」
あたしは苦笑いを浮かべて言った。
この6人は中学時代からのゲーム仲間で、当時からゲームクラブに所属していた。
そして、この高崎高にもはゲーム研究会という活動が存在していることを、全員周知の上だった。
「まぁたお前らと一緒かよ。仕方ねぇなぁ」
大げさなため息を吐きながらそう言い、先頭を歩き出したのはカズヤだった。
カズヤは6人の中で一番背が高く、ガッチリとした体型だ。
決して悪いヤツではないのだけれど、少し空気が読めない所がある。
たとえば……。
「おいミホ、俺の鞄持てよ」
前を歩いていたカズヤは不意に振り向いてそう言い、ミホへ自分の鞄を差し出した。
「ちょっと、カバンくらい自分で持ちなよ」
あたしは咄嗟に口を出していた。
「あぁ? お前に持てなんて言ってねぇだろうが」
「そうじゃなくてさ……」
「ユウ。大丈夫だから」
言い返そうとしたあたしをミホが遮り、そのままカズヤの鞄を手に持った。
「ほらな。本人が大丈夫って言ってんだから、口出ししてんじゃねぇよ」
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