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怒鳴るような勢いで言うと、カズヤは1人ズンズンと先に進んで行ってしまった。
あたしは呆れてカズヤの後ろ姿を見つめる。
「じゃ、あたしはミホの鞄を持ってあげるね」
ホナミが、悪くなった空気を元に戻すようにそう言って、ミホの鞄を持った。
その光景に胸の奥がホッとする。
「それじゃホナミの鞄をあたしが……」
言いかけた所で、前方のカズヤが1つの教室の前で立ちどまったので、あたしは伸ばした手をそのまま引っ込めた。
どうやらもうゲーム研究会の部室に到着したみたいだ。
「近くてよかったね」
ミホへ向けてこっそり耳打ちをする。
ミホはふふっと小さく笑った。
「ここがゲーム研究会か」
カズヤはそう呟き、ノックもせずにドアを開けた。
あたしたちは慌ててカズヤの後を追い掛けたが、教室内に部員の姿は見られなかった。
ゲーム研究会のドアの向こうには長机がズラリと並べられ、様々なゲーム機械と沢山のモニターが置かれていた。
壁沿いに置かれた木製の棚には沢山のゲームソフトに、ボードゲームやトランプ、縄跳びまである。
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