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湯上がりのまだ火照った肌を冷ましながら、冷蔵庫から冷えた缶ビールを取り出した。
ローテーブルにコトンと置いたと同時に楓夏の横顔にふぅっと冷たい空気が触れた。
それと同時に突然、鳴り出すスマホの呼び出し音に楓夏は飛び上がった。
Tシャツの胸元を少し掴みながらスマホの表示を見るとそこには父の名前が表示されていた。
「え?お父さんから?」
大学入学と共に一人暮らしをし始めた楓夏だが、実家と疎遠になるどころか頻繁に電話のやりとりもある。しかし、主に母からであって父から電話が来ることはほぼなかった。
ざわざわ感を感じながらもスマホを手に取り、おそるおそる電話に出た。
「お父さん??珍しいどうしたの??」
「楓夏、ばぁちゃんが亡くなった」
お正月に帰省をした時も相変わらず茶目っ気たっぷり元気いっぱいだった祖母が亡くなった。
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