富士山の見える山で再開

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富士山の見える山で再開

さて、私は今とても困っている 目の前にあるのは女性物の下着が上下一揃い。 もちろん下着泥棒をしてきたわけではない。 さっきクリーニング屋から受け取ってきたばかりだ。 どうしたものか…と途方に暮れていると不意にスマホが鳴る。 画面には「三宅裕子(みやけ ゆうこ)さん」 タイミングがいいと言うか悪いと言うか何というか 電話に出ると 「もしもし、甲斐 武(かい たけし)さんの電話ですか?」 と声がした。 「はい、甲斐です。」 「こんばんわ、この間の登山口でお世話になった…」 「覚えてますよ」 「この間はありがとうございました」 「いえいえ、どういたしまして」 「それで…あの…えっと…」 「うん、分かってるアレだよね」 「あ、はい…」 「まさか、車の中に下着が干しっぱなしになってるとは思わなかったよ。」 「わー!わー!言わないでください!」 「それでどうする?宅配便で送ろうか?」 「あ、えっとですね」 彼女は気を取り直して 「今週末に三つ峠に行ってみたいんですけど、一緒に行きませんか?」 三つ峠…河口湖の近くか。 「いいねぇ、久しぶりに登るよ」 「登ったことあったんですか?」 「まぁ、県内だしね」 「じゃあブツはその時に渡していただければ…」 「ブツって(笑)」 何やら怪しい取り引きでもするかのような物言いで可笑しくなってしまった。 そして、待ち合わせ場所と時間を決めて電話は終わった。
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