富士山の見える山で再開

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昼食を食べ終えるころ 東の空に雲がかかっているのが見えた。 「雷が鳴ってますね」 「うん、かなり遠いし、こちらには影響ないと思うけれど、雲が少し気になるね。早めに降りようか。」 「そうですね。」 そこから登ってきたルートと同じ道を降りて行く。 案の定、天気は崩れ始めて、ポツポツと降り出したころに車に到着。 荷物と共に乗り込んだ途端に車の屋根を叩く雨音が聞こえた。 「ギリギリセーフでしたね。」 「ひょっとして三宅さんって雨女?」 「ギクッ!」 「ははは!」 なんとか車に乗り込んだところで、麓にある日帰り入浴施設に向かう。 あらかじめ帰りに温泉に寄ってサッパリして行こうと打ち合わせしておいたのだ。 施設につき、風呂に入ってサッパリしたところでロビーで寛いでいると 外はザンザン降りの大雨になっていた。 ピンポンパンポーン♪ 付けっぱなしになっていたTVに速報が入った。 【大雨によりJR中央線の大月〜八王子間の電車が運転見合わせ】 ずいぶんと雨が降ってる思ったら電車が不通になってたのか。 あれ?って言うことは…? と思い当たったところで 三宅さんがお風呂から上がってロビーに出てきた。 「お待たせしました。いいお湯でしたね。」 「サッパリしたね」 「登山の後に温泉って良いですね。」 「あったまって疲れも取れるからねぇ」 「クセになりそうです♪」 と話した後で 「あ、そうだ」 「どうしました?」 「今テレビを見てたんだけけど、中央線の電車が不通になったぽい。」 「中央線?」 「中央線で八王子に帰るんじゃなかったっけ?」 「え…ああ!そうです!電車止まってるんですか?」 「そうらしいね」 と話しているうちに再度字幕ニュースが流れた。 【中央線、大月〜八王子間。土砂崩れのため運休】 「マジですかぁ…」 「電車で帰る予定だったんだよね?」 「はい…」 「このまま三つ峠駅から大月駅にまでは出れるけれど、そこから先が身動きが取れないなぁ。 「どうしよう…」 「じゃあ、よければ車で送って行こうか?」 「そんな!悪いですよ!」 「あの辺り悪天候でよく電車が止まるけど、中央自動車道なら行けると思う」 スマホで高速道路の状況を確認する。 「うん、高速道路は普通に通れるみたいだ」 「良いんですか?」 「まぁ、八王子までなら小一時間くらいだしね」 「じゃあ、お願いしても良いですか?」 「いいよ。じゃあ、少し雨が落ち着いてから行こうか。流石に土砂降りの中を走るのも視界がわるくて疲れるし」 「お任せします!」 風呂上がりのフルーツ牛乳などを飲みつつ、待っていると雨足は少し和らいできた。
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