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お姉さんの言う賭けとは僕が彼女の出した課題をこなせるかどうかだった。
お姉さんは自分のボードに軽やかに飛び乗ると、大きくS字を描きながらその上でトンタタントンとステップを踏んだ後ボードはそのまま、自分だけくるりと向きを変えてこれまた美しく小刻みなステップを踏み、ふわりと地上に降りた。
つまりそれを僕にやれと言うのだ。
スケボー未経験者で上に立つ事すら怪しそうな僕が、明日これをお姉さんの前でこなさなくてはならない。
小刻みなステップは地上でやり方を教わってきたけど地上でやるだけでも意外と難しかった。
不安定なボードの上、優美なS字を描きながらバランスを崩す事なくこれをやるなんて無理ゲーも良いとこだ。
だけどチャンスをもらったんだ。
本来、中坊の僕なんて相手にしてくれない様な大人の女性が、たとえハードルが高かろうがちょっとだけ微笑みかけてくれたんだ。
僕は言い訳がましくて未経験なのは隠して置いたけどボードを持っていない事を言ったらそれを用意するのも課題だと言われた。
もちろんOKだ。一生に一度の晴れ舞台だ!なんとしても用意して明日に間に合わせる!
とは言え、どうやって手に入れたらいいんだ。そもそも売っている場所を知らない。スポーツショップに有るのだろうか。その前に、ステップの練習で随分日が暮れてしまったけどお店は開いているのだろうか。
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