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FORBIDDENは「SF」か(2024.08.24)
お読みいただきありがとうございます。
酷暑の日本列島、地震に雷雨に台風と災害目白押しの8月が終わろうとしていますが、いかがお過ごしでしょうか。
わたしは首都圏住まいなので、先日は台風7号に大いにやられました。そして今週は台風10号…。
先週は2日ほど退勤時にゲリラ豪雨に遭遇しました……。夏の日差しが強い時期はUVカット万全の晴雨兼用の小さめ日傘を愛用していますが、ゲリラ豪雨の前ではあまりに無力でした…(ずぶ濡れになった)
来年はきちんとゲリラ豪雨を含んだ日傘を考えないとなと思います。
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お庭の原稿はほぼ終わりました!
まだ入稿はしていませんが、無事に新刊を出せそうです!現在は表紙待ちです。
入稿したらお知らせしますね。お楽しみにお待ちください。
もう少ししたらお知らせできると思います。
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先日、神田にある出版社、早川書房に併設されているカフェに行ってきました。「サロンクリスティ」というちょっとアガサ・クリスティをインスパイアした素敵なカフェです。
昨年リニューアルされたと聞いていてずっと行ってみたいと思っていたので念願です!
そのカフェの話はXに載せたのですが、席の目の前に早川書房の主力雑誌「SFマガジン」のバックナンバーが揃っていまして、その中で2022年4月号の創刊750号記念号の特集が「BLとSF」でした。
なんて攻めた特集!
珈琲とプリンをお供に、手帳活動をするつもりが、ついつい熟読してしまいました。
特集もさることながら、気になったのは、よしながふみ先生のインタビューが載っていたためです。
男女逆転劇「大奥」が2021年に全19巻で完結した記念のインタビューです。
原作は実は挫折してしまったのですが、まさかの昨年やっていたNHKの実写ドラマがすごーーく刺さりまして。夢中で観たタイプ。原作に再チャレンジしたいと思っていました。
とても奥深い記事で、先生の創作スタンスもわかるし、大奥の創作秘話、キャラへの思いが感じられてとても面白かった。ぜひこのインタビューを片手に原作を読みたいなと思いました。
そのなかで、ちょっとびっくりした概念があったのでご紹介しようと思います。
大奥は歴史改変&ジェンダーSFというジャンルなのだそうです。確かに1巻を買った時、帯には「SF」とあった記憶がある。
今作品を振り返れば、架空のウイルスとの戦い、ワクチンの開発の話なので、カテゴライズするならば「SF」となるそうです。……なるほど!
その中で、よしなが先生がおっしゃっていました。
「オメガバースという概念もあるが、あれはちょっとSFっぽい。男女ではない新たな制限を作り出すことで、決して乗り越えられない分断を作って、そこでの関係を描くという話だから」と。
正直、その考え方、目からウロコ!でした。
オメガバースはSFっぽいのか! と。
こういうジャンル分けは無粋、という意見もあるかと思うのですが、それはさておき。
これまでオメガバースをSFとして捉えたことはなかったです。
ファンタジーだと思っていました。BLがそもそもファンタジーといわれますし、ファンタジー世界を舞台にしたオメガバース作品も多いし。
ただ、オメガバースの設定を考えると、とても理屈的で、SF(空想科学小説)としてもしっくりくる気がしました。
現代社会を舞台にオメガバース設定の作品などは特に。
もともとオメガバースはどのような世界でも馴染むため設定に柔軟さがあり、作品ごとに違いがあって、裾野が広く自由度も高い。
ファンタジー作品にオメガバースを盛り込めば、もちろんファンタジー作品なのでしょうが、現代物や歴史物などにオメガバースを盛り込むと、説明(根拠や理屈)が必要になるので、SF要素強めといっても納得なのかも。
オメガバースの懐の大きさに驚きました。
いろいろ書けそう! オメガバース!
そして考えたのは、FORBIDDENをはじめとする拙作「リアルオメガバース」シリーズ。
これは「ファンタジーかSFか」と聞かれると、SFに近いのかなという印象を持ちました。
作者の数だけオメガバースの世界はありますが、わたしがつくったこのリアルオメガバースは、日本の2010〜2020年くらいの医療の世界を中心に、オメガバースという要素があったら……という観点で世界観を作っていて、ざっくり過去50〜60年くらいの歴史はおさえています。和真さんが生まれたあたりから。
この時代、こんなことがあったからオメガバースの世界でもこんなことがあったのだろう、みたいな作り方です。それは作品に反映されていて、アルファ・オメガ領域の歴史や抑制剤の歴史、茗子さんと和真さんが結婚した頃の時代背景などに反映させてきたつもりです。
そう考えると、これも一つの歴史改変なので、FORBIDDENはまさに 空想科学小説(SF)だな〜と思いました。
これ、突き詰めていけばこの世界のオメガバースの起源の話とかも書けそうな気がします。
広がりそうな気がします。ただ、わたしが求めるBLにはならなそうなので、妄想にとどめておきますが。
あまり読まない雑誌に触れて、久々に面白い妄想をしました。
あまりに面白かったので、その後、古本にて入手しました。
一穂ミチ先生のSF&BL小説や、吟鳥子先生の短編など、SF側から見るBLは斬新でとてもおもしろかった。
大奥再読時には、是非傍に置いておきたいなと思いました。
なんか、小難しい話をつらつら書いてしまったので、せめてもの。サロンクリスティの美味しいプリンと珈琲を貼り付けておきます。
こんな拙い考察をする前に原稿を書きたまえ。
みなさま良い週末をお過ごしください。
週明けにはLOVE PRECIOUSを更新したいなと思っています。
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