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【episode4】恋する
「運命の人は意外と近所にいるかもよ。」
娘が私の顔を覗き込む。
私にはツインレイや魂の伴侶と呼ばれる大切な存在がいる。
ツインにはサイレント期間という互いの肉体に触れられない期間があり、私たちも真っ最中である。
家族で食事をしている時。
ショッピングをしている時。
バスソルトの香りが鼻を擽る時。
その全ての時間に彼の面影が脳裏を掠める。
だが、いくら思い描いても会えない人に想いを馳せるのは苦しみ以外の何ものでもない。
愛おしくても会えない相手に思いを馳せ、窓の外の景色を物憂げに眺める私を慮る娘の優しさに心が揺れる。
夏至を過ぎたある朝、目覚めた私はフッと思った。
「恋って楽しく幸せなものじゃないの?…私、なんでこんなに苦しんでるんだろう。」
日々過ごす中で、男性からのアプローチがないわけではない。
もっと気楽に会える相手と恋を楽しんだっていいじゃないか。
彼と魂の伴侶だと互いの意思を確認したのは勘違いで、もしかしたら他に運命の人がいる可能性だってある。
まだ会っていないかもしれないし、もうすでに出会っている人の中にいるかもしれない。
はたまた魂の伴侶だと感じている彼なら、それはそれで良い。
行く末は神のみぞ知るである。
いつ誰と結ばれても良いように私は笑顔で過ごすだけだ。
今世、恋する心と出逢えたことに感謝する。
そして、今日も私は喜びを与え合える運命の彼を探すのである。
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