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笑うと可愛い。
それが柴田さんの最初の印象。
私の1個上だけど、バイト先では結構先輩で、何でも知っていて、何でも教えてくれる。
気付けば目で追っていた。
でも告白はしない。
振られて気まずくなるくらいなら、見てるだけにしよう。そう思っていた。
それなのに、私は今、エッチしてる。
「はっ、・・・竜崎さんっ、大丈夫っ・・・?」
「・・・あっ、は・・・いっ、んんっ!・・・」
初めてだけど、血出てないかな。
気持ちいいかどうかわからない。
「ごめっ、止まんねっ・・・!」
「あっ、しば、たさっ・・・あんっ」
いつもと違う、男くさい姿。
3回目でも慣れない感覚。
「竜崎さん・・・かわいい・・・」
「・・・えっ?」
心臓が跳ねる。
5回目の今日はいつもよりお酒を飲んでいたな。
「かわいいっ・・・すげぇ、きれい・・・好きだ」
「やっ・・・やだっ、あっ、あぁっ・・・!」
腰を打ちつける度にぐちゅぐちゅ音を立てて、より恥ずかしさが募る。
離れないと。と思った。
離れられなくなる前に。
身体の関係以上を求めてしまう前に。
「俺と付き合って下さい」
夢を見ているのかと思った。
これまでも夢の中のような時間を過ごしていたのに、まだ覚めないのかと。
抱き締められた時、柴田さんの胸と腕が熱くて、これは現実だと気付く。
目が熱くなり、涙が零れそうになるのを堪え、顔を押し付ける。
このまま溶けて1つになりたいと思った。
目を開けると、陽が昇り初めていた。
隣を見ると、リク君が眠っている。
「おやすみ」と「おはよう」が約束された瞬間。
また目覚める事が楽しみに思えて、眠るリク君の口唇に優しくキスをして、再び夢の中へ戻った。
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