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朝になってもアンツが戻らないことを危惧したその親は、隣近所にそのことを告げた。
何人もの人に話をして、やっと少年が4人の子供に連れられて“悪魔の穴”のある場所へと入って行くのを見たという話を聞いた。
親はその話に恐怖し、長老に相談をした。
長老の下した判断は、“悪魔の穴”に近づいてはならない。
少年の親はそれに従い、それ以上息子を探そうとはしなかった。
それは『アルクタ民』の古からのしきたり。それに、この困窮した生活の中では「口減らし」は願ってもないことだったからだ。
長老は別のことを考えていた。それは“悪魔の穴”に関する長老だけが知る事実。
“あの穴は「異世界」へとつながっている。”
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