2・出会い、そして「代償」

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 アンツが出会ったのはロゾという男がリーダーの冒険者のパーティだった。  それは魔王を倒すのを目的としている集団のこと。  アンツはさまざまなことを教えてもらいながら、自分があの穴を通って「異世界」へやって来たことを実感していった。  アンツがロゾたちと出会って五日が経ったとき一つの提案がなされた。 「このまま俺たちのパーティにいるつもりならばただ飯ってわけにもいかない。お前にも仕事をしてもらう」  仕事というのは戦闘のことだった。  魔王たちは魔獣といわれる怪物を解き放っている。それと戦わなければならない。  メンバーたちはそれぞれ剣術などの武術や、魔法を習得していた。だがアンツにはそれに相当するものが一切ない。 「逃げるのは上手いから身体能力が高いことはわかってる」  この五日間でも何度か魔獣と遭遇した。最初はロゾが積極的に守ってやっていたが、そのうちアンツの身のこなしを見てその必要はなさそうだと判断したのだ。 「俺と同じ剣士が一番向いてるような気がするがどうだい?」  他のメンバーも異論はないということだった。  それでも剣術の習得には何年もかかるもの。 「世の中には裏技ってのがあるんだよ」  そう言われて街へ行った時に、とある場所へと連れて行かれたのである。
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