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それは多くの人々が行き交うメイン通りから離れたところにある店だった。
通称“寿命屋”。
自分の寿命と引き換えに欲しい物を手に入れられる店。
金も技術も経験もないアンツにとっては願ってもない店だった。
皺の深い店主がクククと笑った。
「まだ、10歳ですか。これはいい。60歳までは生きるでしょうから、一気に10年修行した剣技を習得してはいかがでしょう」
同伴したロゾが頷いたので、従うことにした。
こうしてアンツは自分の寿命10年を代償として剣士となったのである。
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