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「……花壇の七不思議のことなんだけど…」
静かに口を開いたのは龍太郎だった。爽太が外の景色から廊下へと振り向くと、廊下に正座をしている龍太郎と目が合った。何故正座しているのか疑問に思ったが、龍太郎が思いのほか真面目な顔をしていたので爽太は口にしないことにした。
「…さっき1年生の廊下にいた時に聞こえてきたことがある」
「ほんと!」
「なになに?」
龍太郎の発言に爽太と琴子はすぐに食いついた。先生にミッションを与えられてから聞き込みを始めたが、正直何も成果が無い。少しでも情報が欲しくて爽太と琴子は龍太郎に正座をして詰め寄った。
「…近い」
「まぁまぁ。で、聞こえたって何が?どんな情報?」
「ハカセ押しすぎ」
龍太郎におでこがくっつく程の距離まで詰め寄る爽太。眼鏡の緑のフレームが龍太郎の頬に当たる。琴子はそれを見て軽く腕を引っぱるが、爽太の勢いは止まらなかった。
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