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「…だから、僕達にできる新しいアプローチをしようと思う」
「それが事件が本当にあったか図書室で調べること?」
「…そう」
龍太郎に頷かれて琴子は黙りこむ。琴子もそれしかないとわかっているのかもしれない。でも、一歩を踏み出せない。爽太にはそんな風に見えた。だから、爽太はそんな気持ちを吹き飛ばそうと両手を強く叩いた。パンっという乾いた音が廊下に響く。
「じゃあやってみようよ!3人いればなんとかなるよ!」
「そう…かな」
「なるなる。三人寄れば文殊の…なんだっけ?」
「…文殊の知恵」
「そうそれ!って言うし!」
爽太の言葉に、不安そうだった琴子の表情が少しだけ柔らかくなる。1つ小さく頷くと、顔を上げて爽太、龍太郎の順に視線を向けた。
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