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「わかったよ。さっそく放課後に図書室行ってみよう」
「やった!3人で調べればすぐにわかっちゃうよ」
「さすがにそれは楽観視しすぎ」
調子に乗る爽太に琴子は溜息を吐く。2人の様子を見ていた龍太郎が「…じゃあ」と口を開いた所でチャイムが鳴った。
―キーンコーンカーンコーン。
「昼休み終わっちゃった!次の授業って確か移動教室だよね?」
「…そう。図画工作室だよ」
「どうしよう、今日は切り絵なのにハサミ教室だ」
琴子、龍太郎、爽太は慌ただしく立ち上がる。
「走ろう!」
爽太の掛け声で3人は走り出した。足の速い爽太は1番に駆ける。その次を琴子、遅れて龍太郎が走る。が、爽太があと数メートルで廊下の曲がり角に差し掛かろうとした時に「あ」と間の抜けた声と共に、ドサっと何かが倒れる音がした。
「龍太郎くん大丈夫?」
「…うん」
「って、血!龍太郎くん膝から血が出てる!」
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