2.調査開始。失敗ばかりの3人組!

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「えっと…教頭…先生?ぼくの眼鏡知らない?」 「眼鏡?あぁ、今ので落としてしまったんだね、ちょっと待って…」  教頭はそう言って眼鏡を探そうと屈むが、その拍子に手にしていた資料を廊下に落としてしまう。 「おっとっと」 「教頭先生また~」  落ちてしまった資料を琴子が拾い集めて教頭に渡す。爽太は教頭が眼鏡を拾ってくれるのを待つ時間が惜しく、四つん這いになって手探りで探すことにした。 「眼鏡…眼鏡…」 「ハカセもしかして眼鏡ないと全然見えないの?」 「え?あ、うん。だからこうして手探りで探しているんだけど…そっちにない?」 「うーん。ボクの近くには落ちてないかな?」  教頭に資料を渡し終えた琴子も手伝ってくれるが眼鏡は見つからない。いくらなんでもそんなに遠くへ飛んだとは思えない。爽太は不自由な視界の中で眼鏡を探す。でも手先に伝わるのは少し冷えた木の床の感触だけ。だんだんと騒ぐ心に爽太は胸を押さえた。
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