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「…どういたしまして」
「いやー、一時はどうなることかと思ったよ」
「そもそも眼鏡を落としたのは、ハカセが走って教頭先生にぶつかったからでしょう。教頭先生にちゃんと謝らないと」
「そうだった。…教頭先生ごめんなさい」
琴子の隣に立っていた教頭に誤れば教頭は一重の瞳を優しく細めて笑ってくれた。
「いいよ。気にしないで。私も前をきちんと見ていなかったからね。ただ、急いでいるからといって廊下を走っては危ないよ」
「はーい」
「わかればよろしい。ところで3人は急いでいたみたいだけど、ゆっくりしていていいのかい?」
「あ…」
3人は急いで空いていた資料室の扉から、掛けられている時計を見た。時計の針は無慈悲にも、午後の授業が開始して5分後を指していた。
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