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「ち、遅刻だー!!」
爽太は叫ぶと同時に駆けだした。琴子と龍太郎もその後に続く。が、龍太郎が転びそうになったのを見て、爽太は龍太郎達の所へ戻ってくると、龍太郎の右手を掴んだ。琴子もその意図に気づいたのか、龍太郎の左手を掴む。
「よし、行くよ!」
「…うん」
「りょーかい!」
3人は手を繋ぐと、廊下を走り出した。もちろん、龍太郎がバランスを崩して転ばないように注意して。
「こら、君達。注意したそばから走らない!」
教頭先生の声が後ろから聞こえてくる。でもその声はそれほど怒っているように聞こえなかった。
「ごめんなさーい」
爽太は元気よく大声で答えてそのまま教室へと向かった。
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