えつみん

お宝発見

　ついに見つけた！
　俺はゲームソフトを片手に、リサイクルショップへと駆け込んだ。

　まさか探していたものが、母親の化粧台の引き出しの中から出てくるとは、夢にも思わなかった。

　このゲームソフトは、まだ俺が小学校の低学年の頃に買ってもらった、古いカセットタイプのものだ。

　中身はロールプレイングゲーム。
　これがなんと、プレミアム価格で売れるらしい。

　このソフトは、母親から買ってもらった、唯一のプレゼントだ。それがまさか、通帳や印鑑と一緒に大切にしまってあるなんて、完全に盲点だった。

　俺の家は貧乏だった。父親は、物心ついた時にはいなかった。
　俺の自転車やおもちゃのほとんどは、誰かのお下がりだった。

　これは、それを我慢してきた、俺へのご褒美だ。