本能寺心中

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 太刀を鞘に戻し、光秀だった男は、主だった男の傍らに膝を着く。  信長は笑っていた。 「次こそは、其方の望みを叶えよう」  そう言って、男は彼の白い頬をそっと撫でた。   在天願作比翼鳥   在地願爲連理枝   天長地久有時盡   此恨綿綿無盡期  男は信長の骸を抱え上げると、ゆっくりと炎の中に消えていった。  
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