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「貴方なんて嫌いよ!さようなら!」
そういって彼女は私よりも速い速度で去っていった。彼女は私にいつも『のろま!』だとか、『ゆっくりでいいわね!』なんて言われていたっけ・・・・。
僕はただノロノロといつもの公園を歩いていたら、彼女に先ほどの言葉を私に突き刺した。そして彼女は私よりも足の長い、歩くのが速い男性を追いかけていった。
私は心に傷を少しつけながらノロノロと歩いていると、彼女が追っている男性が足早にやってきた。彼は足が長くスラッとしていた。
「こんにちは」
挨拶の仕方すら無駄を省いてスマートだった。これはモテるだろうな・・・・と思った。
私は『こんにちは』と返事をしようとしたが、僕が言う前に彼は足早に去って行った。すでに声をかけるには遠い距離に居た。
「また・・・・挨拶できなかったな」
いつものことだ。のろまな私は挨拶すらまともにできない。挨拶をしようとすると、スラッとした男性はすぐに居なくなってしまう。どうやったら挨拶できるのだろうか、私は思考の海へと沈んでいった。
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