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 父親が通信機器メーカーで働いていたので、その影響で私も中学生の頃に4級アマチュア無線の免許を取り、144MHz帯(ツーメーター)430MHz帯(フォーサーティ)でCQ(※1)を出していた。たまたまEスポ(※2)に出くわした時は本当に興奮したのを今でも覚えている。おかげで学校ではすっかり「オタク女」として気味悪がられたものだ。  大学入試で航空工学科と電子工学科を受けたのだが、航空工学科に落ちた私は電子工学科に進んだ。しかし、今から考えれば航空工学科は飛行機の設計がメインで、飛行機乗りになるためにはさほど役に立たない分野だったので、これでよかったのかもしれない。  それはともかく。  ROという職域は、そんな私にとってまさに打ってつけのように思えた。かくして私はROになるべく、まずは通信員としてのキャリアを身につけ、様々な試験と教育課程をクリアしていった。その努力が実を結び、昨年から私は地元である石川県の小松基地航空救難隊に配置された。そして本日、ようやくTR(Training Readiness:訓練可能状態)からOR(Operation Readiness:実働可能状態)に移行したのだ。ちょっとややこしいけど、これでようやく私もORのRO。目指していたパイロットとは違うけど、飛行機に乗って自分の得意分野を活かせる職につけただけでも、私は十分幸せだった。 --- ※1 CQ……アマチュア無線で、交信相手を探すために不特定多数の局に向かって呼びかける際に使う符号。 ※2 Eスポ……スポラディックE層と呼ばれる、突発的に発生する特殊な電離層のこと。これが発生すると普段は遠距離まで届かない VHF の電波でも、Eスポで反射して届くことがある。
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