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うわー! いらん心配かけちまってるじゃん! ダメだ、ダメだろ俺! 今日はこいつの誕生日だっての! 辛気臭ぇのはナシだろ!
「何かあったなら、聞くけど……」
「ない! お前が心配するようなことはねぇよ!」
勢いよく否定して顔を見ると、困ったように眉を寄せて微笑んでる。
「いやその、な? あの、ほら、笑い話だからよ!」
「笑い話?」
ちょっとほっとしてくれたみてぇだけど、今度は不思議そうだ。
これ、もうこのタイミングで出して、一緒にこりゃないわって笑って、終わりにしとこう。んで、ちゃんとしたのは今度なって約束しよう。それしかねぇ。そんで仕切り直して飯食う。
勿体ぶって飯の後まで引き延ばして、遂に出て来たのがアレじゃ、ガッカリ感が天元突破だ。
「ほれ、これ、見てみろて」
思い切って、箱が入った小さい手提げ袋を掴んで差し出す。
あー、笑顔がひきつる。
宵闇は切長の目を見開いて、驚いた表情を浮かべた。
「えっ、プレゼント?」
「おう。みたいな何かだ」
みたいな何かでしかねぇわ。っていうか、完全に期待されてなかったじゃん、俺。
「嬉しいな。ありがとう。じゃあ……」
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