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宵闇はニコッと笑って箱を取り出し、リボンを外す。
すまん。嬉しそうなのに、裏切る。マジでごめん。別の意味でサプライズ。
箱の蓋を開け、ご丁寧にかかっている薄紙をめくる。
あー、見てらんねぇ。思わず目を瞑る。
「うわ、ネックレスか」
「お、おう」
チェーンがついてるから、少なくともネックレスだわ。
その「うわ」はどっちの「うわ」だ。後者だろ。いや、俺、前者も後者も言ってねぇから一択だけど。
「夕?」
「おう」
「何で目瞑ってるんだよ」
声が笑ってる。何だ、いい具合に笑いが取れたのか。笑いが取れたならもうお役御免だ、そいつは。
でも、目ぇ開けんの怖いな。
「ありがとう」
「いやまあ、その……」
さあ、どう申し開きをする。こいつのことだから怒りゃしねぇと思うけど、しかし何だ。これはもっと何年か後にやるべきネタだった気が。
と、言葉を探してた俺を、宵闇の腕が抱き締める。
「ほんと嬉しいよ。ちゃんと使う」
「使う!?」
思わず目がかっ開いた。
ちょっと待て、使うのか、これを。待て待て。公開処刑じゃねぇか。
「うん。これ、手作りじゃないのか?」
「わかるか……」
「ああ」
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