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「じゃあ、それは別のアイテムで頼むよ」
「ネックレスは」
「お前が、初めてなのに頑張ってくれたんだ。これは一生の記念」
「……ありがとな。ほっとした」
笑われるか、呆れられるか。それしかねぇって思ってた。でも、こいつはどこまでも懐が広くて、優しい。
だから、好きなんだ。
「お前が心配することなんか、何もないよ」
宵闇はニコニコしながら、手提げ袋の中に丁寧に箱とリボンをしまう。
「ご飯にしようか。腹減っただろ」
「おん。飯何だ?」
「今日はちょっと品数多めだよ。ローストビーフもあるし…一応、ケーキも」
「よっしゃ」
ケーキなんぞあんまり食わねぇけど、こいつが作るのは甘さが控え目で美味いんだ。ほっとしたら、一気に楽しみになって来た。
「じゃあ、用意するよ。ああ、スパークリングワイン? も用意しといたから」
だからよ、お前は呑めねぇのに誰の誕生日だっての。
結局俺の為に支度しやがって。
愛されてるわ、俺。
宵闇は俺の頬にキスをして、百合の紋章にちょっと指を触れた。
「これも、大事にしてくれてありがとう」
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