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実物はなかなか綺麗で、言われなきゃ手作りとは思わねぇな。
「いいじゃん」
「このルースが、綺麗だったから」
ルースって何だ。野球選手か。
いや、石のことだろ。文脈的に。
「何かあれだろ、教室みてぇなとこでって」
「そう。シルバーアクセサリーの工房で……体験教室」
「へぇ。お前以外にも来てたのか?」
そういうのってメジャーなんかね。あんま興味ねぇからわからんな。
「一緒にやってたのは……3人」
「皆こういうのか?」
体験教室だと、教材とかあったりするんじゃねぇのかな。
「ううん。そこは、好きなの、作れるから」
「へぇ。じゃ、バラバラか」
「うん。プロポーズに使うって、人もいたよ」
なるほどな。一生に一度になるはずの記念だから、手作りでってか。
「気が利いてんな、そりゃ」
「どう?」
「んあ?」
どうとは。何のことだ。
「夕、やってみたら?」
「へ?」
「手作りのプレゼントで……毎日着けられるって……嬉しいよね」
礼華がにっこり笑ったら、ピンクの薔薇の花吹雪が見えたわ。
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