ぶきっちょDearest

　ただ、ガチのお揃いにするのはアウト。そんなもん、「付き合ってます宣言」でしかねぇ。
　だから、お互いの為に品定めをした。俺があいつに選んだのは、百合の紋章。あいつが長いこと大事に使ってた百合の紋章のネックレスを、俺がもらっちまっただろ。だから、ジッポの形で返したってわけだ。
　あいつが俺に選んでくれたのは、フェニックスだった。翼を広げたカッコいい不死鳥。かなりイカしてる。
　そんなわけで、お互いに贈り合うクリスマスは無事クリア。
　で、俺の誕生日にはめちゃくちゃ美味いケーキとか焼いてくれて、コンバースの黒レザーのハイカットを普段用にってプレゼントしてくれた。パーフェクト。
　俺も頑張らねぇわけにはいかない。負けてらんねぇだろ。
　そんでようやく思い付いたのがネックレスだった。
「おい、その教室ってのは初心者OKか？」
「大丈夫。俺も初めて」
　おお、それはうってつけだ。そんなもん、作ったことねぇからな。初心者でこんな指輪が作れるなら何とかなるだろ。
「よし、そこ紹介してくれ」
　てなわけで、速攻で予約。善は急げだ。
　それから、相談で一回。で、5回通って……ギリギリ本日完成に至ったと。そういうわけだ。