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マジでこのフェニックス、カッコいい。
改めて項垂れる。何でこのクオリティを夢見たんだ俺は。夢を抱くにも分相応ってもんがあるんだなってことを思い知らされた。
今日何回目のため息だ。はぁ。
コーヒーを持って来た宵闇が、隣に座って俺の顔を覗き込む。
「どうかしたのか? 元気ないけど」
「ん? ……いや、んなことねぇぞ」
誤魔化したとこで、なぁ。如何に俺マニアの宵闇でも、流石に今回ばかりはがっかりするだろ。こいつ、プレゼントのセンス皆無だなって思うだろ。来年から一切期待されなくなるだろ。
「それならいいけど」
そう言いながら、俺の腰に手を回して抱き寄せる。
何百回でも自慢するけど、世界一優しい、男前の彼氏なんだ、宵闇は。可愛くて、カッコよくて。俺が全世界からたった一人選んだヤツだ。最高に決まってる。こいつにとことん愛されてる俺は、世界一の幸せ者だ。そこに疑う余地はねぇ。
その世界最高峰の彼氏の誕生日に、ロクなことしねぇ俺。バチ当たるぞ。
「やっぱり元気ないな」
「んなことねぇって」
否定する俺の頭をそっと胸に抱え込んで、撫でてくれる。
「何かあったのか?」
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