ぶきっちょDearest

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 Google検索の結果を見ている。  さっきから何度も何度も見ている。 「あああ……」  何故だ。何故俺はこれを素直に買わなかった。こんなにカッコいいデザインの、完璧な仕上がりのものが、ここにどっさりあるってのに。  フェニックスをデザインした、シルバーのネックレス。色々あるな。どれもこれも一億倍はカッコよくて、でも値段は一億倍もしないわけだ。  今手元にある、フェニックスのような気がする、シルバーでネックレスであることだけが確実な物体と比べて。  既に箱にしまわれてて、シルバーのリボンなんか掛けられちゃってる、この謎の物体。  駐車場に停めた車の中で、俺はさっきから何度も何度も右手の箱と、左手のスマホを見比べてため息をついている。  どうしようか。  マジで、俺、どうかしてたよな。  そもそも、買おうとしてたんだよな。このどれかを。  ミーティングの空き時間に色々と検索して見てたら、それを見た礼華が声をかけて来た。 「シルバー?」 「おう。コレってもんはなかなか難しいな」 「この間、これ、作ったんだ」 「お、インスタに載っけてたヤツか」  礼華は頷いて、右手の薬指に嵌めた指輪を見せてくれた。鮮やかなピンクの石がついてる、シルバーの指輪だ。
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