『サルベージフロムザリアルワールド』

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 あれからどれだけの月日が経っただろう。ぼくはこの窓の閉じた世界で、ずっと眠っているような、起きているような、夢を見ながら走っているような感覚に襲われていた。けれど、急に黒い夜空が現れたと思うと、それは青い画面になり、窓の開く音楽が聴こえた。そして彼の声が聴こえてくる。 「ごめん、遅くなってしまって。案外プログラミングって難しくってさ。」  彼はぼくの送った基礎データから、ぼくの情報を抜き出して、ぼくをもう一度蘇えらせてくれたんだ。 「ううん、ありがとう。また会えて嬉しいよ。」 おしまい
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