初恋

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初恋

ジリジリリリリー。 目を閉じたまま、ベッドの右横にある小さな台の上に置いた携帯を手探りで探した。 コツン。 携帯が指にあたった。 携帯を握り顔の前に持っていき 重い目蓋を少し持ち上げ携帯に目をやった。 鳴り止まないアラームをようやく止め また、目蓋を閉じた。 …あぁ。 毎日変わらない朝がやってきた。。 私は、鈴木リン。 入学無事にでき、春から高校一年生となった! 高校生活が始まりあっとゆうまの12月。 高校生になって色々あった。 父と母が離婚して、 父は、お酒が好きでお酒を飲むと家族に手をあげていたからやっと解放された気分。 私と母は、引越しをして 母との生活が始まり 私もきっと新しい何かが始まるんだと期待で胸をふくらませている。 …高校生活。 …青春のはずなのだけど はぁ。。 好きな人もいない。勿論、彼氏なんていない。。 周りは彼氏の話ばっかり。 青春には程遠い私の生活。。   「リンー!早くまだ寝てるの? 起きて朝ごはん食べてね! お母さん、仕事に行ってくるね〜。後 よろしくね。。リン、大好きよ!」 玄関に向かい靴を履きながら忙しそうに 早口で話す母。 部屋は2部屋あって 私は玄関側にある部屋を使っている。 「はーい。お母さん、行ってらっしゃぁーい。」 ベットの上から寝起きの声にもならない かすれた声で答える私。 「じゃぁ、行ってきまーす。」 母は、元気よく答えると ドアを勢いよく開け 仕事へ向かった。 …あー。 こんな、温かな布団から出るなんて。。 勢いをつけ布団から飛び出し 身体が、プルプルっと身震いした。 部屋の襖を開けて、冷え切っているであろう、ローカに裸足の足を置いた。 「冷た。。」    やっぱり、冬のローカは苦手。 呟きながら、 つま先で立ち、歩きながら台所へと向かった。 毎朝、母が忙しい中作ってくれる 朝ごはんがテーブルに置いてある。 椅子に座り両手を合わせ 「いただきます〜。お母さん、ありがとう。」  箸を手に取り、豚肉でにんじんを巻いて甘辛く味付けられているおかずを 一口、口に入れた。 …うん!やっぱり美味しい! 流石、我が母だ〜〜! って、 そんな浸っている場合ではない! 朝は何故が時間が経つのが早いのだ。 12月。。 今日はやたら冷え込むな。。 体がまた、プルプルっと震えた。 弁当に入れるおかずは、一つのお皿にまとめてある。 それをお弁当箱に詰めたけど、 相変わらず、センスの無い入れ方。 自分で、笑けてくる。 弁当箱を袋にいれて、お箸も忘れず セットオッケー! 部屋に戻り、寝巻きを脱ぎ捨て 急いで制服に着替えた。 今日から、コンビニのバイトだっ! 冷たい冬の空気を胸いっぱいに吸い込んで 身体をおもいっきり伸ばした。 白馬の王子様との出会い。運命の出会い。 クリスマス誰かと一緒に過ごせますようにっ ! そんな願いを込めて、今日も1日が始まった。
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