幸せとは

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離婚後初の一人旅に出た。 梓は母親に預けた。 旅先は温泉街。 一人で車を走らせ、一人で温泉に入った。 一人で料理を食べ、一人で酒を飲んだ。 旅館の部屋から眺めた景色は、とても綺麗だった。 ゆっくりと沈んでいく夕陽を眺めて私は思った。 ーーあぁ幸せだ、と。 側から見れば私は「可哀想」なのかもしれない。 だけど私は全然可哀想なんかじゃない。 むしろ幸せだ。 可愛い梓がいて、優しい母がいる。 今日も健康だし、離婚した解放感だってそう簡単に誰もが感じられるものじゃない。 結婚しているから幸せとは限らないし、離婚したから不幸だとも限らない。 私には私の「幸せ」のカタチがあるのだ。 いつかまた、運命の相手が現れて私を幸せにしてくれる。 そう信じ続ける。 そんなシンデレラコンプレックスの、痛いおばさんであり続ける。 明日も、晴れるといいな。
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