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「元基、話がある」
仕事から帰ってきた私は、梓をお風呂に入れて上がってきた元基に言った。
「え、何?怖いんだけど!」
少しヘラヘラしながらそう言う元基に、私はもう愛情を持ってはいなかった。
「離婚したいの」
寝室に彼を呼び二人きりになった時、私は言った。
「…へ?りこん…?」
元基はまさか想像もしていなかったようで、口をぽかんと開けて突っ立っていた。
「うん。家事とか梓の面倒とか、色々やってくれて本当に助かってる。だけどさ…あんた、いつになったら仕事するの?私、さすがに我慢できないよ」
「…それは、ごめん。今のラーメン屋のバイトは、出来るだけ続けるようにするから…」
その言葉に、私はカチンときた。
「いやあんたさ、その歳でバイトって恥ずかしくないの?私があんたのこと養ってるようなもんじゃん!私だって、働きたくて働いてるわけじゃないの!3人で住んでたらその分食費や光熱費だってかかるんだよ。それ全部払ってるの、私なんだよ。こっちだって楽じゃないんだよ!」
「…でも、離婚って…」
少し泣きそうになりながらも、彼の目は怒りに震えていた。
そしてついに、元基は本性を現した。
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