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きっかけは、ほんの些細なことだった。
「ワイン買ってきたよ!一緒に飲もう!」
お酒が大好きな私は仕事終わり、ちょっぴり高い赤ワインを買ってきた。
明日は休みだし、彼と一緒に飲んで久しぶりに甘い夜を過ごそう、なんて思いルンルンだった。
しかし私のそんな期待は、彼の言葉ですぐに水の泡となり消えた。
「え?俺はいいよ。今からちょっと実家行ってくる。母さんが電球変えられなくて困ってるらしいし。そのまま泊まって帰るかも」
スーツから私服へ着替えながら、こちらも見ないでそう言われた。
たったのそれだけ。
それだけで私は、全てが嫌になった。
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