2人が本棚に入れています
本棚に追加
いー君は、安心したように微笑んだ。
私は、抱き上げた彼を、新しいコールドスリープのカプセルに横たわらせた。
「朝になったら、せりちゃんと遊べる?」
「そうね。お見舞いに来るように言っておくわ」
そう言って私が微笑むと、彼は安心したように頷き、目を閉じた。
「おやすみなさい、良い夢を」
私はいー君に向かってそう言うと、いー君は小さくあくびをした後、「おやすみなさい」と呟いた。
私は彼が寝息を立てたことを確認すると、コールドスリープのボタンを押した。
ハッチが音もなく閉まり、ウィィィーンと音を立て、新しいコールドスリープの起動が完了する。
これから二十年、彼はまた眠り続けるのだ。
私達が、勝手に判断したことは。二十年後の彼に、どんな影響を与えるのだろうか?
そんな苦い思いを抱きながら。
私は、コールドスリープの部屋から外へと出た。
最初のコメントを投稿しよう!