眠る子

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 彼の家族も感染し、眠る子は一人ぼっちになってしまった。  それでも、眠る子はシールドを付けなかった。  家族が、そして友達が亡くなっても、自分のせいだと思わなかった。  彼はただ泣き続けて、シールドを付けようとしなかった。  だから。  彼は、「眠る子」になった。  感染拡大の原因になったにも関わらず、皆を守るためのシールドを付けない「眠る子」には、神様が罰を与えたのである。  そうして、現在。 「だから、皆さんも『眠る子』のようにならないために、シールドをちゃんとつけましょうね」  「眠る子」の前で、教師らしい人物が、子ども達に話している。  小学生らしいその子ども達は、皆真剣な表情で頷いている。  子ども達は皆、シールドを付けていた。
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