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混血魔族の魔女
様々な異種族が生きる世界に、魔族が暮らす国があった。
この話は、その国の外れから始まる物語。
ある森に年若い魔女がいた。
名はダリア。得意とするのは魔法よりも占いと薬草の扱いで、人間でいう十七、八歳ほど。
この国の魔女や魔術使いは他の魔族と違い見た目は他国にいる人間に近いため、魔族の中でも特別視されている。
元は、ある時代にいた魔王が人間の娘と結ばれたため、その子孫にあたるのがその種族ということらしいが、それも昔の話。
今代の魔王はその時代の魔王から王座を譲り受けた者の血筋ということで、純魔族に当たる。
そのため混血種族を特別視する者がほとんど。
人間と魔族の血筋を受けた魔女や魔術使いは、他族のいない外れで細々と暮らすことが多かった。
彼女も例外ではなく、友もなく使い魔もなく、忘れられた大きな清き森の小さな家にたった一人で暮らしていた。
ある日、彼女の住む森に一匹の子鬼が迷い込んだらしく、泣きながら森をさまよっている。
めったに誰も来ない森、まして他付き合いのない自分。
泣いている子鬼を見つけた彼女だったが、正直子鬼にまず何をしてやればいいのかが分からない。
しかし声を掛けずにはいられなかった。
「何を泣いているのよ…!」
気の強そうな、少々呆れた様子の突然の声に、子鬼は驚き怯えたらしい。
ビクリと体を震わせた。
「っ…!!だ…誰だよう…」
子鬼はなんとか周りを恐る恐る見渡しながらその声に言い返す。
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