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ぬばたまのサービスエリア ご当地という概念があるうちに旅
この町を染めるネモフィラあなたにはさよならだけは言えないままで
暗闇に揺れるネモフィラ 過ぎてなお些細な音がすべて怖くて
藤棚に縋れるほどに背が伸びて幼き日にはなかった憂い
親友の指輪の話題に切り込めない濃厚とんこつ醤油ラーメン
今夜だけネオンも消えてしまうから私たち手を繋げるかな
左手を執拗に撫でる そこに何が嵌まっても思い出すように
花束を選ぶ背中を蹴りたくて花屋が少し狭くてよかった
まだいたい あなたを越えて行く夏にどれだけの価値があるって言うの
荷造りもままならぬ子よ絵日記の白紙は増えてずれる歳月
みんなそう自分に関係ないことは一括りにしてしまうんだよ
吐き捨てたきみばっかりの道だから未だに好きな靴を履けない
どうしろと言うのベッドサイドには答えを持たないうさぎ 春宵
気づかれないように干してる 今までの気づいてほしさが乾いてゆく
でもきっとまた手を取っちゃう気もしてて無期限と銘打つハイカカオ
本来の用法でなく花占いする夜もあり好きになりたい
損得の勘定だけは出来なくて思い出ばかり代入してる
幸せがあった気がする日以降の投稿が多く遡れない
神様が不在の場合神様の再配達は頼めますか?
言葉だけで飾れる愛が良かったね その場合君ではなかったね
星砂が数えきれない思い出のかたちに戻すことは出来ない
激情のロビー あなたを思う時瞬く星を絶やしたくない
その席に私がいないときにだけ下がれよルクス 愛は落日
洞の中吹き込む花が眩しくて私が見捨てたはずだったのに
出会わずに百年過ごすほうがいいそれなのに君苦しめど君
終われない恋だと腹を括るからせめてあなたは散らないでいて
まだ痺れている白魚 海になれ、海になれよと祈る明け方
咳き込めど環状線 次あなたに会えるのってその日って来ますか
君だって青い静脈を持っているたまには僕から抱き締めさせて
行き先をLEDが告げてしまいもう戻れない時があること
浴槽で見るものなんて他になく(窓の外では星が墜ちゆく)
凛としてしまうかなしさその髪をほどける時がありますように
明暗を分けた気がする放課後にデルフィニウムは高々と咲く
五月雨の偽装工作まだきっと君に会うべき人がいるから
どこまでが本当の痒みだろうか この夏もきっと叶わないこと
君の撮る空は灰色 いつもそう見えてるのですかと訊けない
あじさいのじさを取り出しまた戻す 気づいてなかったふりのおはよう
その代わりネオンは早めに消えるからキスは夜間に横行してる
解してはもらえなかった詩情らが行き着く川が清流である
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