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「いいよ、話すよ。話せばいいんだろっ!お風呂に入れた時だよ!いつもネックレスをしてたのに、4回目にお風呂に入れた時はネックレスをしてなかった!どこにやったんだって聞いたって答えもしない!部屋を掃除した時にあちこち探したけど見つからなかった。そもそも部屋に隠す理由もないし、あの女に渡したんだと思った。助けを求めるために……。だからあの女の事を調べたんだよ!」
「あの女とは月影雪の事ですか?彼女の事を調べたんですか?」
「名前なんて知らない!スノーって名乗ってたからな!」
「では、スノーさんの事を調べたんですね?」
近藤はまた机を叩き、「そうだよ!!」と、上ずった声で怒鳴った。
「スノーさんの何を調べたんですか?」
野本が訊いた。
「何を…って、住所とか、家庭環境とか……」
「調べてどうする気だったんですか?」
「忍び込んでネックレスを取り戻すつもりだったんだよ!でも…あの家にはいつもスノーの母親がいた。朝も昼も関係なく酒を飲んで、怒鳴り声をあげて…スノーに酒を買いに行かせてた」
「それを見てどう思ったんですか?」
近藤は舌打ちをしながら両手を机から膝の上へ移動させ、背もたれに背を預けて肩の力を抜いた。
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