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「そう。叫ばれたら近所にバレるし、仕事の邪魔をされるのも困る。運送会社の人も家を訪ねてくるから声を出されちゃ困るしね」
近藤は悪びれもなくそう言って、ふっと笑った。
「あの子は可愛かったよ。手錠をしたまま口にさるぐつわをさせてお風呂に入れるんだ。声を上げれば腕をつねる。泣きながら俺にされるがままだったよ」
その時ことを思い出したのか、近藤はくすくすと笑った。
自分が何を言ったのか全く理解できていないのかもしれない…五十嵐はそう思った。
そして生田美代の身体に残されていたピンクのアザの意味も理解した。キスマーク以外につねられて出来たアザもあったようだ。
五十嵐は質問を続けた。
「そんな時、あなたはスノーさんに会った。そして生田美代とセックスさせることを思いついたんですね?」
五十嵐が訊くと近藤はニヘラっと笑った。
「名案だと思ったんだ!売春を持ち掛けてきたってことはその時点で相手も俺に弱みを握られることになる。警察に駆け込むことはないと思った。だから二人にセックスをさせた」
ニヤニヤと笑いながら近藤は切れた口唇を指で拭った。
そんな近藤の様子など気にすることもなく五十嵐は淡々とした調子で質問を進める。
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